Kickstart インストールを実行するには、以下の作業を行う必要があります。
Kickstart インストールの実行方法を決定します。
Kickstart の設定ファイル ks.cfg を編集します。
編集した ks.cfg をシステムインストールディスク(normal.img)または「Turbolinux 10 Server インストール CD 1」 のルートディレクトリに配置します。
Kickstart モードでインストーラを起動します。
Kickstart インストールを行うには、設定ファイルである ks.cfg を編集し、そのファイルをインストールディスクにコピーする必要があります。ks.cfg ファイルの書式については、 項5.3 を参照してください。一般的に Kickstart インストールは、フロッピーディスクから開始しますが、インストーラは CD-ROM 上の ks.cfg を読むことも可能なため、編集した ks.cfg を含めた「Turbolinux 10 Server インストール CD 1」を作成し直して、CD-ROM から Kickstart インストールを開始することもできます。インストールディスクの作成については 項5.2.2、「Turbolinux 10 Server インストール CD 1」の作成については 項5.2.3 を参照してください。
Turbolinux 10 Server では、ローカル CD-ROM または NFS 経由での Kickstart インストールに対応しています。どちらの方法で Kickstart インストールを実行するかは、ks.cfg ファイルに指定します。NFS 経由でインストールするのであれば、「Turbolinux 10 Server インストール CD 1」と「Turbolinux 10 Server インストール CD 2」の内容をコピーしたディレクトリを NFS サーバーでエクスポートしておく必要があります。例えば、これら 2 つの CD-ROM の内容を /Turbolinux ディレクトリにコピーするのであれば、以下のように実行します。
「Turbolinux 10 Server インストール CD 1」を /Turbolinux ディレクトリにコピーします。
# mount /mnt/cdrom # cp -a /mnt/cdrom /Turbolinux # eject |
次に「Turbolinux 10 Server インストール CD 2」の turbo/RPM/ディレクトリにあるパッケージを /Turbolinux/turbo/RPMS/ ディレクトリとしてコピーします。
# mount /mnt/cdrom # cp -a /mnt/cdrom/turbo/RPMS/* /Turbolinux/turbo/RPMS/ # eject |
/Turbolinux ディレクトリを NFS サーバーで公開する最も単純な設定は以下の通りです。NFS サーバーの詳細については、第15章 を参照してください。/etc/exports ファイルを以下のように編集します。この例では、192.168.0.0/24 のサブネット上にあるホストからの /Turbolinux ディレクトリへのアクセスを許可しています。
/Turbolinux 192.168.0.0/255.255.255.0 |
次に、portmap と nfs のサービスを起動します。
#/etc/init.d/portmap start #/etc/init.d/nfs start |
/etc/hosts.allow を編集し、クライアントからの /Turbolinux ディレクトリへのマウントを許可します。
portmap: 192.168.0.0/255.255.255.0 mountd: 192.168.0.0/255.255.255.0 |
フロッピーディスクから Kickstart インストールを開始するには、編集した ks.cfg ファイルをインストールディスクにコピーします。インストールディスクは、ブートディスク、システムインストールディスク、およびドライバディスクで構成されます。各インストールディスクの概要を以下に示します。
表 5-1. インストールディスクの種類
| ディスクの種類 | イメージファイル | 説明 |
|---|---|---|
| ブートディスク | boot.img | フロッピーディスクからインストールを開始するためのブートディスクです。このディスクは必ず作成しなければなりません。ブートディスクに加え、使用目的に合ったシステムインストールディスクの作成も必要です。 |
| システムインストールディスク | normal.img | SCSI やネットワークカードなど標準的なデバイスドライバが含まれます。IDE(ATAPI)/SCSI 接続の CD-ROM ドライブやネットワークカードを利用してインストールする場合に作成します。 |
| pcmcia.img | PCMCIA の各種デバイスドライバが含まれます。PC カード(PCMCIA)のデバイスを利用してインストールする場合に作成します。 | |
| ドライバディスク | scsidd.img | normal.img に入りきらなかった SCSI カードのデバイスドライバが含まれます。normal.img では認識されない機器をご使用でインストーラを起動できない場合に作成します。 |
| netdd.img | normal.img に入りきらなかったネットワークカードのデバイスドライバが含まれます。normal.img では認識されない機器をご使用でインストーラを起動できない場合に作成します。 |
フロッピーディスクから Turbolinux 10 Server をインストールするには、ブートディスクとシステムインストールディスクの作成は必須です。ドライバディスクは必要に応じて作成します。したがって、ほとんどの場合は、boot.img と normal.img のみを必要とします。これらのインストールディスクを作成するイメージファイルは、インストール CD の images ディレクトリに格納されています。
Linux 上でブートディスクを作成するには、フロッピーディスクを挿入し、以下のコマンドを実行します。
# mount /mnt/cdrom # dd if=/mnt/cdrom/images/boot.img of=/dev/fd0 bs=1k |
同様に以下のコマンドを実行し、システムインストールディスクを作成します。
# dd if=/mnt/cdrom/images/normal.img of=/dev/fd0 bs=1k # eject |
他のインストールディスクも作成する場合は、イメージファイル名の箇所を置き換えてコマンドを実行してください。
![]() | インストール CD の dosutils ディレクトリに格納されている *.bat ファイルを実行し、Windows 上でインストールディスクを作成することもできます。例えば、boot.img を作成するのであれば、boot.bat ファイルを実行します。 |
編集した ks.cfg ファイルは、normal.img から作成したシステムインストールディスクにコピーします。サンプルの ks.cfg ファイルが存在するため上書きを確認するメッセージが表示されます。y を入力して編集した ks.cfg ファイルで上書きしてください。
# mount /mnt/floppy # cp ks.cfg /mnt/floppy/ cp: overwrite `/mnt/floppy/ks.cfg'? y # umount /mnt/floppy |
![]() | ks.cfg ファイルは、normal.img から作成したシステムインストールディスクにコピーします。ブートディスク(boot.img)ではないことに注意してください。 |
![]() | 作成されたインストールディスクのフォーマットは FAT です。したがって Windows で ks.cfg ファイルを編集し、エクスプローラでコピーすることも可能です。 |
編集した ks.cfg を含めた自分用の Kickstart インストール CD を作成するには、Linux 上で ISO9660 の CD-ROM イメージを作成するためのコマンドである mkisofs を使用します。以下の手順に従いイメージファイルを作成してください。作成したイメージファイルは、cdrecord コマンドやその他、Windows 上で動作する CD-R ライティングソフトウェアで書き込むこともできます。
はじめに「Turbolinux 10 Server インストール CD 1」を /tmp/TurbolinuxCD1 ディレクトリとしてコピーします。
# mount /mnt/cdrom # cp /mnt/cdrom /tmp/TurbolinuxCD1 # eject |
作成した ks.cfg ファイルを /tmp/TurbolinuxCD1 にコピーします。「Turbolinux 10 Server インストール CD 1」には、サンプルの ks.cfg ファイルがあるため、上書きを確認するメッセージが表示されます。y を入力して上書きしてください。
# cp ks.cfg /tmp/TurbolinuxCD1 # cp: overwrite `/tmp/dottest/ks.cfg'? y |
以下のように mkisofs コマンドを実行して CD-ROM のイメージファイルを作成します。この例では、TurbolinuxCD1-new.iso というファイル名で /tmp ディレクトリに作成されます。
# cd /tmp/TurbolinuxCD1 # mkisofs -V Turbolinux1 -P Turbolinux -A Linux -R -T -J \ -hide-joliet instimage -hide-joliet-trans-tbl -b isolinux/isolinux.bin \ -c isolinux/boot.cat -no-emul-boot -boot-load-size 4 -boot-info-table \ -sort .sort -o ../TurbolinuxCD1-new.iso . |
作成した TurbolinuxCD1-new.iso をライティングソフトウェアで CD-R メディアに書き込みます。以下の例は、cdrecord コマンドでの実行例ですが、ISO イメージの書き込みをサポートしているソフトウェアであれば何でも構いません。
# cdrecord dev=/dev/hdc speed=8 -dao -v eject TurbolinuxCD1-new.iso |
![]() | 以前は、Linux で IDE(ATAPI)接続の CD-R ドライブにデータを書き込むには、ATAPI デバイスを SCSI デバイスとして見せかける SCSI エミュレーションと呼ばれる設定が必要でした。しかし、カーネル 2.6 を採用している Turbolinux 10 シリーズの製品であれば、ATAPI デバイスへの書き込みがサポートされているため、SCSI エミュレーションの設定は必要はありません。dev=/dev/hdc のように指定することができます。 |
Kickstart インストールを開始するには、作成したブートディスク、または「Kickstart インストール CD」からシステムを起動し、インストーラに対して以下のインストールオプションを渡します。
インストーラは、フロッピーディスク上にある ks.cfg を検索し、Kickstart インストールを開始します。
インストーラは、インストール CD 上の /PATH にある ks.cfg を検索し、Kickstart インストールを開始します。
![]() | 日本語キーボードで = を入力するには ^ を、: を入力するには[Shift]キーを押しながら ; を入力します。 |
例えば、ブートディスクから Kickstart インストールを開始するのであれば、インストーラ起動時の boot: プロンプトに対して以下のようなインストールオプションを指定します。
boot: install ks=floppy |
この場合、インストーラはブートディスク(boot.img)を読み込むと、システムインストールディスク(normal.img)の挿入を要求するメッセージを表示します。フロッピーディスクを差し替えると、インストーラはシステムインストールディスク上の ks.cfg ファイルを検索し、Kickstart インストールを開始します。
Kickstart インストール時にドライバディスクを適用するのであれば、通常のインストールと同様に dd オプションを指定できます。
boot: install ks=floppy dd |
インストール CD からインストーラを起動した場合は、以下の画面が表示されます。

Kickstart インストールを開始するには、インストールオプションから "kickstart" を選択します。インストーラはインストール CD のルートディレクトリにある ks.cfg ファイルを検索し、Kickstart インストールを開始します。"kickstart" オプションは、以下のように boot options に入力した場合と同様の動作をします。
ks=cdrom:/ks.cfg |
また、boot options に以下のように入力すれば、フロッピーディスクにある ks.cfg ファイルを検索して、Kickstart インストールを開始することも可能です。
ks=floppy |