インストーラは、Kickstart ファイル(ks.cfg)に記述されている設定値に従いインストールを行います。デフォルトの設定値を使用することもできますが、Turbolinux 10 Server をインストールするシステムの環境にあわせて設定を調整する必要があるでしょう。ファイルは ASCII テキスト形式なので、標準的なエディタで編集することができます。設定値については、以下のポリシーが適用されます。
必須でない項目は省略可能です。必須項目については、以下の解説で [*] が記されています。
必須項目を省略した場合、インストーラは一時停止し、CUI ウィンドウから必要項目の選択をするように求められます。回答がなされれば、再度インストールが継続されます。
ファイル内の # の行はコメントとして扱われるため、無視されます。
Kickstart ファイルは大きく分けて以下 3 つのセクションに分類されます。
環境設定
ネットワーク設定
インストール設定
lang lang code |
指定可能な lang code は以下の通りです。
en_US(英語)
ja_JP.eucJP(日本語)
zh_CN.GB2312(中国語簡体)
zh_TW.Big5(中国語繁体)
指定例 :
lang ja_JP.eucJP |
keyboard type |
日本語キーボードの場合は jp106、英語キーボードの場合は us を指定します。その他、指定可能なキーボードタイプの情報は、/usr/lib/python2.3/site-packages/rhpl/keyboard_models.py から得ることができます。
指定例 :
keyboard jp106 |
mouse [--device] dev [--emulthree] |
マウスの接続先デバイスを指定します(e.g. ttySO)。オプションに続けて以下のようなマウスタイプを指定することができます。
alpsps/2、ascii、asciips/2、atibm、generic、generic3、genericps/2、 generic3ps/2、genericwheelps/2、genericusb、generic3usb、genericwheelusb、 geniusnm、geniusnmps/2、geniusprops/2、geniusscrollps/2、geniusscrollps/2+、 thinking、thinkingps/2、logitech、logitechcc、logibm、logimman、logimmanps/2、 logimman+、logimman+ps/2、logimmusb、microsoft、msnew、msintelli、 msintellips/2、msintelliusb、msbm、mousesystems、mmseries、mmhittab、sun
2 ボタンマウスの 3 ボタンエミュレーションを有効にします。
指定例 :
mouse genericps/2 --emulthree |
![]() | 引数なしで mouse が設定された場合には、インストーラはマウスの自動検出を行います。 |
auth [--useshadow][--enablemd5] |
システムの認証方式を指定します。設定値は、インストーラから authconfig コマンドへパラメータとして渡されます。Turbolinux 10 Server では --useshadow, --enablemd5 での動作のみ保証しています。
指定例:
auth --useshadow --enablemd5 |
rootpw password |
デフォルトの root パスワードを指定します。
指定例:
rootpw turbolinux |
timezone [--utc] timezone |
システムのタイムゾーンを timezone に指定します。タイムゾーンは timecfg でリストされた内容を指定することができます。 --utc を指定すると、ハードウェアクロックが UTC 時間に合わせて設定されている と見なされます。
指定例:
timezone Asia/Tokyo |
システムに設定するネットワーク関連のパラメータをあらかじめ ks.cfg の中で 指定することができます。NFS インストールを想定したインストールでは、 network.img によるブートフロッピーを使用します。プロトコルで DHCP を選択 した場合、インストーラは eth0 インターフェースに DHCP サーバーから取得 した IP を設定し、ks.cfg で指定された NFS サーバーの Turbolinux ディレク トリをマウントし、そこから必要なパッケージのインストールを行います。 ks.cfg に静的アドレスを指定した場合も同様にネットワーク上でサーバーを見つ け、マウントの後インストールを行います。
network --device dev --bootproto dhcp/static [--ip] [--netmask] [--gateway] [--nameserver] [--hostname] |
設定するネットワークインターフェイスを指定します。
プロトコルを指定します。dhcp、static の指定が可能です。dhcp を指定した場合、Kickstart は dhcp アドレスをサーバーから取得し、 そのまま NFS で指定されたサーバーのディレクトリをマウントします。static とした場合には、次の ip、netmaks、gateway、nameserver の設定が必須となります。
ターゲットとなるネットワークインターフェイスに割り当てるの IP アドレスを指定します。
ターゲットシステムのネットマスクを指定します。
ターゲットシステムのゲートウェイの IP アドレスを指定します。
プライマリのネームサーバーを指定します。
ターゲットシステムのホスト名を指定します。
指定例:
network --device eth0 --bootproto static --ip 192.168.0.102 --netmask 255.255.255.0 --gateway 192.168.0.1 --nameserver 192.168.0.2 |
network --device eth0 --bootproto dhcp |
インストールに関する設定は、大きく以下のパートに分かれます。
インストール方法の選択
パーティションの設定
ブートローダーのインストール
パッケージの選択
セキュアレベルの設定
スクリプト設定
インストール方法は、ローカルの CD-ROM 、もしくは NFS サーバーからという 2 つのタイプから選択します。NFS を指定した場合には、NFS サーバーのエクスポートディレクトリを指定する必要があります。 パーティションの設定には複数のオプションがあります。通常のインストールと同様に、ブートローダーについても複数のパラメータを指定することができます。パッケージは、インストールタイプやグループで指定することができます。グループに属するパッケージは CD-ROM の中の turbo/base/comps ファイルで確認することが可能です。
install |
インストーラにアップグレードではなく新規にインストールすることを指示するためのオプションです。
cdrom nfs --server name/ip --dir directory |
nfs を指定した場合には --server, --dir の指定が必須です。Kickstart は、 nfs の場合に、server で指定されたホストの dir ディレクトリを nfs マウ ントします。
指定例:
nfs --server 192.168.0.5 --dir /mnt/cdrom |
cdrom |
clearpart [--liux][--all] |
パーティションを作成する前に、システムからパーティションを削除します。デフォルトでは、 どのパーティションも削除されません。
Linux (タイプ 0x82, 0x83, 0xfd[RAID] パーティション)が削除されます。
システムに存在する全てのパーティションが削除されます。
指定例:
clearpart --linux |
part mntpoint --size size [--grow] [--ondisk disk] |
指定がない場合は自動パーティションが適用されます。
パーティションのマウントポイント /、/home、/var などを指定します。スワップパーティションを指定するの場合には swap と記述します。/ は必要ありません。
パーティションの最小サイズを指定します。
利用可能領域の最後までパーティションを拡張するよう設定します。
disk 上に強制的にパーティションを作成します。
基本的なパーティション設定の例:
part /boot --size 62 part / --size 4096 --grow part swap --size 512 |
また、RAID の設定を記述することも可能です。以下は hda と hdb で RAID1 を構築する場合の設定例です。このように mntpoint の箇所に raid.id を指定すると RAID 用のパーティションとして使用できます。設定した RAID 用のパーティションは、以下の raid 行のように記述して md デバイス、およびマウントポイントを指定します。--level=1 は、構築する RAID のタイプが RAID1 であることを表しています。
RAID1 のパーティション設定の例:
part raid.01 --size 4096 --ondisk=hda part raid.02 --size 4096 --ondisk=hdb part raid.11 --size 2048 --ondisk=hda --grow part raid.12 --size 2048 --ondisk=hdb --grow part raid.21 --size 512 --ondisk=hda part raid.22 --size 512 --ondisk=hdb raid / --level 1 --device md0 raid.01 raid.02 raid /home --level 1 --device md1 raid.11 raid.12 raid swap --level 1 --device md2 raid.21 raid.22 |
zerombr yes|no |
zerombr では、MBR にある不正なパーティションテーブルを初期化します。この場合、不正なパーティション情報とともに、ディスクにある全てのパーティション情報は破棄されます。
指定例:
zerombr yes |
grub|lilo [--append params] [--linear] [--location mbr|partition|none] |
ブートローダーをどのようにシステムにインストールするのか指定します。 デフォルトでは、MBR にインストールされます。
カーネルパラメータを指定します。
linear オプションを使用します。
ブートレコードを記述する場所を指定します。mbr (マスターブート レコード)、partition (kernel を含むパーティションの先頭 セクタ)、none (ブートローダはインストールされない) から選択できます。
指定例:
grub --location mbr |
Turbolinux 10 Server では comps というパッケージのリストファイルに基づいた統一的なインストールシステムを提供しています。comps リストは /mnt/cdrom/turbo/base ディレクトリにあります。インストールタイプや各グループに属するパッケージは、このファイルの中で確認することができます。ただし、comps ファイルの文字コードは Unicode(UTF8)で記述されているため、UTF8 をサポートしていないテキストエディタの場合、日本語などは文字化けで表示されます。
<package-list> のセクションで使用されているフォーマットは XML 形式です。<package-list> と </package-list> のタグに囲まれた部分に希望の指定を追加します。追加した指定の中で、インストールを希望しないパッケージグループについては、<!-- --> の XML 形式のコメントで無効にすることができます。
インストールタイプが標準サーバー(Standard Server)の例:
%packages
<package-list>
<itype name="Kickstart">
<reqitype>
Standard Server
</reqitype>
</itype>
</package-list> |
他に、Basic Runtime(基本システム)、Development System(開発者向けシステム)、Everything(全て)を指定できます。<reqitype> と </reqitype> で囲まれた Standard Server の箇所を修正してください。
グループでインストールパッケージを選択の例:
%packages
<package-list>
<itype name="KickStart Install" option="">
<desc>KickStart Install</desc>
<reqgroup>
TurboTools
System utilities
Web service
</reqgroup>
</itype>
</package-list> |
インストールするパッケージをグループ単位で指定することも可能です。基本システムである TurboTools と System utilities は必ず記述し、その他のインストールしたいパッケージグループを追記することで、希望するパッケージ構成でインストールすることが可能です。この例では、基本システムに加え、パッケージグループ Web Service を追加しています。
security number |
高レベル(80)、中レベル(50)、低レベル(20)でセキュリティレベルの値を指定できます。
指定例:
security 80 |
%post セクションには、パッケージのインストールが完了した後に実行したいスクリプトを記述することができます。このスクリプトには <<EOF などの I/O リダイレクションを記述することができますので、インストール完了後のシステムへ特別な設定を行いたい場合などに利用することができます。
指定例:
%post echo "nameserver 192.168.1.1" >> /etc/resolve.conf |
この例では、セカンダリネームサーバーを追加しています。