はじめに

これから Linux を使用するユーザーが、他の OS との大きな違いを感じることの 1つにコマンドの存在があげられます。コマンドとは、簡単に言うと自分の思い通りに Linux を操作するためにキーボードから入力する命令のことを言います。

Linux の GUI 環境は、KDE や GNOME に代表される統合デスクトップ環境の発展にともない Windows や MacOS と比較しても引けを取らないほどの成長を遂げています。これにより、Linux に初めて触れるユーザーでもマウスによる直感的な操作で、多くの作業が行えるようになりました。X Window System 上で動作する Webブラウザ、メールクライアント、テキストエディタ等の X アプリケーションを使用するだけならば、必ずしもコマンドを習得する必要はないかもしれません。しかし、今でも多くの Linux ユーザーは、Linux システムを操作するための手段にコマンドを利用します。これは、Linux を含む UNIX系OS が、他のデスクトップ OS と異なり、インターネットというネットワーク環境で主に使用されてきたマルチユーザー、マルチタスクに対応した OS であるという、歴史的背景や使用目的の違いに拠るところもあります。近年の統合デスクトップ環境の発展により、一般的な作業の多くがマウスで行えるようになったことも事実ですが、コマンドを習得することで Linux をより便利に柔軟に活用することができます。コマンド自体は非常に単純なものですが、パイプ、リダイレクトを組み合わせたり、シェルスクリプトを作成することで想像以上に複雑な仕事をこなせる魅力があります。

「Turbolinux 10 Server コマンドガイド」では、代表的なコマンドの使用方法を実行例とともに解説します。コマンドリファレンス的に活用されることを目的とするのではなく、煩雑となりがちなオプションの解説等は極力省き、コマンドの実行例を記載することで、より実用的に活用されることを意図しています。どんなに Linux を熟知した上級ユーザーでもすべてのコマンドの使用方法を覚えているわけではありません。日常的に使用するコマンドは限られていますので、まずはそれらを習得されることをお勧めします。コマンドのより詳細な使用方法や指定可能なオプションは、man ページ(オンラインマニュアルを表示するコマンド)を参照してその都度、確認することができます。ぜひ、コマンドを積極的に使用して、Linux をより便利に活用してください。

注意

コマンドを実行した際の出力は、本ガイドの記載と異なる場合があります